ハセガワは大学時代、美術館に就職した生真面目なオズを毎週訪ね、彼女の影響を強く受けた。美術館が方針転換を経て閉館した後も、ハセガワはオズと夫が作る売れそうにない本を買い続ける。効率や人気を重んじる価値観が主流の世の中で、ハセガワはオズから得た「正しさだけが全てではない」という信念を抱く。孤独や否定を感じる日々だが、彼はオズのような存在がどこかにいると期待することで自分を支えている。




セリフ
1ページ目
- 先輩は卒業後、絶対客が来なそうな生真面目な美術館に就職し
- 「またお前か。」
- 効果音ヒマだいいけど
- わたくしは毎週のように通ってその生真面目に染まった。
2ページ目
- 美術館は息子の代になってポップで客受けするアート路線に変更
- 「チース」
- わたくしは結婚後も情報を追っていたがしばらくしてつぶれた。
- 「つぶしたんだと思う。」
- わたくしはその後先輩とその夫が作った極小出版社の絶対に売れなそうな生真面目な本をひっそり買い続けている。
- いっときTVにばんばん出てた社長は今はインフルエンサーみたいになっている。
- 「見るからに派手好き」
3ページ目
- 「いやーなんぼ一生懸命やってもねえ 注目されて売れんかったらそら自己満足ですわ。」
- それが正しいことはさすがにわたくしもわかっている。
- 「でも正しいことだけが世界の全てではないと私は思いたい。」
- わたくしの基本的な考え方は全て先輩から来ている。
4ページ目
- 日に日に気分は沈む。
- 何を見、何を聞いてもわたくしの全てを否定され、お前は世界に不要だと言われている気がする。
- でもわたくしや先輩の話を聞いてくれる人もまだどこかにいるんじゃないか。
- そう期待してわたくしは今日もあなた方の方を振り向く。
- これが多分わたくしの最後の期待なんだと思う。
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