音楽はずっとクラシックで
あんまり歌詞がついたものを聴かなかったかわりに、
音楽的な朗読は好きだった。
詩と念仏は口に出して読むのがいい。
意味なんかわからなくていいと思う。
時々はっとする「好きな言葉」に出会う。
好きだから勝手に覚える。
覚えてしまうと、
生活のあらゆる場面で頭から取り出して
口ずさめる。
落ち着いたり元気になれたりする。
宮沢賢治の「春と修羅」の中に
ZYPRESSEN 春のいちれつ
という一節があって、この「ツィプレッセン」を
小学生の僕はものすごく気に入った。
ドイツ語の「糸杉」だと意味を知ったのは大分あとだ。
おれはひとりの修羅なのだ
おれはひとりの修羅なのだ
おれはひとりの修羅なのだ
不思議と気分が昂揚する。
セリフ
1ページ目
- 四月の気層のひかりの底を
- 嘘し はざしり ゆききする
- おれはひとりの修羅なのだ
- 小学校 2、3年
- 「しがつの きそうの」
- 宮沢賢治の「春と修羅」
- 最初に覚えた時。
- 意味はわからないけど ずっと口ずさんでた。
2ページ目
- 「いっぱい増やす。」
- 「分解する。」
- 「はい、じゃあクラスの飼育係を決めます。」
- 「としえちゃんがいいと思うひとー。」
- 常に人気がない方に味方する癖のせいで
- 卒業までしつこくひやかされた。
- 「ハセガワくんひとり?」
- 「はい。」
- 効果音ざわざわ
3ページ目
- 高校生になってようやく「春と修羅」の意味がわかった気がした。
- 効果音ハァ・・・
- 効果音いかりのにがさまた青さ
- 「としえ?私立の理系行って解剖部作ったて聞いたで。」
- 「あんたとしえ好きやったなそういや。」
- 「ちゃうわ!俺は一人の修羅なのだ。」
- 「今日はどの脳を摘出しよっかな」


