当時は「訊いていいのか黙ってた方がいいのか」なんて悩んだことも、
20年30年が経てばどうでもよくなっている。
例え生来の傷つきやすさは変わっていないとしても、
誰も思い出に対して傷ついたりはしない。
30年分、僕たちは確実に強くしなやかになっている。
僕の記憶は僕の知らない僕を知っている数少ない人々によって補填され、
別の記憶へと順次補正される。
その正しさだけが「ひとりよがり」というレッテルから
僕自身を守ってくれる。
思い出の答え合わせ。
よくそんな昔のことを覚えているねえと言われるけれど、
描き始めてから思い出したことの方が多い。
結婚してから40代までの間は思い出すことに興味がなかった。
それどころではなかったからだ。
多分みんなそうだと思う。
けど、写真を1、2枚もっていくだけで
全員の記憶が鮮明に復活していく。
お前たちは僕以上に僕のことを覚えている。
それくらいこの空白の期間を
それぞれが一生懸命に
生きていたということだろう。
孤独はそれによって追放できる。
セリフ
1ページ目
- 思い出の答え合わせ。
- 大学美術部4人で同窓会をした。
- 「ハセガワ」
- 多摩
- 「シャチホコ」
- 「タコ焼き」
- みな段々脳が溶けてきてる。
- 「最後会ったの2、3年前だっけ。いや、10年じゃない?」
- 中年の時間感覚。
- 「25年前、このメンツで撮った写真だよ。」
- 「そんなことあったっけ?」
- 「いや写真を信じろよお前ら。」
2ページ目
- 退院後7年間引きこもって一人で思い出を描いている。
- どんなに当時の日記や写真を参照しても僕個人の記憶には限界があり
- 「そんな青春現実にあるかよw」「嘘乙」「虚言症」と言われるとやっぱり傷つく。
- 「ハセガワくんあれだわ、」
- 「ずーっとオズさんの話あたしにしとってよー。」
- 「先輩のこと覚えてる?」
- 「当たり前だぎゃー」
- 「何聞いても全部先輩の話だもんで」
- 「何だコイツと思っとったでよ。」
3ページ目
- 「私そういやハセガワくんに突然オズさんの職場に連れてかれたよね。」
- 「こん にちわ」
- 「ギャラリー」
- 「あれなんだったの?今さらだけど」
- 効果音おぼえてねえ
- 多摩さんを客として紹介して俺の株をあげたかったんだな…
- →帰宅後その時の先輩の手紙を見た。
- 「思い出した!多摩さんが彼女だと先輩に勘違いされて寝込んだんだ俺!」
- 一緒に観にきてくれた彼女によろしくね。かしこ 一九六乗五月二日
4ページ目
- 2024.11.24
- 村木がくれた犬の帽子
- 「覚えてるー ハセガワくん毎日大学でかぶってたよ。よっぽど嬉しかったんだなって。」
- 「マジで! 俺やべーな」
- 新事実
- 「誰かが自分も覚えていない自分を覚えている。」
- 「それは20年30年が経って初めて使える、」
- 「孤独を打ち消す魔法。」
- 199X年 アトリエ
- そんな思い出の答え合わせ。
- 「じゃ また いつか」
大学の美術部の友人4人が同窓会を開いた。写真を見て昔を懐かしむ彼らだが、年月の感覚があいまいになっており、記憶が薄れていることに苦笑いする。ある人物は昔描いた思い出を思い出そうと奮闘するも限界を感じ、自分たちの若い頃を懐かしむ。ある帽子のエピソードをきっかけに、当時の記憶が蘇り、孤独感を和らげる。彼らはこうした記憶が時間とともに変わっていくことを感じながら、また会うことを約束する。



