何のために面倒くさい思いをし、時間をかけて絵なんか描くんだろうか、
俺は何をやってるんだろうか、
そんな風に考えることもたびたびあって、
どこかで「俺は本当は絵なんて好きじゃない、ただの排泄行為だ」と
斜に構えているところもあった。
先輩がすごいねと言うような絵を描けば、
先輩は僕のことを見てくれるかもしれない、
そんな、今となればしょうもない媚を、
僕は自分に言い聞かせながら売り続けていたと思う。
それでもなお、僕は先輩に褒められたかった。
一言でいい、がんばったなと言われたかった。
情けない話ではあるけれども。
セリフ
- 僕はただ、先輩に褒められるために絵を描いた。
- 先輩が振り返るような絵が描きたかった。
- 「……やめてくれ。」
- 「私はお前の絵、嫌いだよ。」
- 「……あのな、」
- 「私の好きな絵なんか描いたって、お前自身のことは好きにはならん。」
- 「私を好きだと言うなら、お前自身の絵で言えよ。」
ハセガワは、オズ先輩に褒められたいという動機で絵を描いていた。しかし、イーゼルに向かうオズ先輩は「お前の絵、嫌いだよ」と冷淡に告げる。彼女は、相手の好みに寄せるのではなく、自分自身の絵で表現しろとハセガワを諭す。創作への姿勢と個人的な好意が厳しくも真摯にぶつかり合う、大学編の1ページ。
