
僕は足が遅かった。足が哀しいほど短く、よくペンギンみたいだとからかわれた。
マキタは足が速かった。文化部の癖に小動物のようにすばしっこかった。
マキタは僕の、ヒロインじゃなく、ヒーローだったんだ。

僕は足が遅かった。足が哀しいほど短く、よくペンギンみたいだとからかわれた。
マキタは足が速かった。文化部の癖に小動物のようにすばしっこかった。
マキタは僕の、ヒロインじゃなく、ヒーローだったんだ。
体育祭の様子を描いた一コマ。マキタはリレーで風を切り、顔色一つ変えずに五人抜きで一等賞を獲得する。その凛々しい姿がナレーションと共に描かれる。一方で、ハセガワは同時刻に便所の前で鉄球を投げ、同じく一等賞を獲得していたが、その姿を誰も見ていなかったという対照的な結末が綴られている。