「僕が信じたものは。」

2020.9.27 (14:07)

「ぐだぐだ考えてないでさあ、サクサクおもろいことだけやろうよ」

という強烈な空気の中で、僕はずっと納得がいかなかった。
僕だけは特別な人間だと思っていた。
お前たちと一緒にするな、と思っていた。

いや、思いたかったがそれも出来なかった。
どんな単細胞だよ、と自分を鼻で嗤った。
心の中では、もっと適当に楽しく人に合わせよう合わせようと思っていた。
思っていただけで、何もしなかった。

結局何も出来ないまま、何もしないまま忘れていく。
忘れることが正しいのだと自分に言い聞かせてゆく。

記憶に強烈に刻印されるのは、
僕でない、僕の近くの人が言った言葉だけ。

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