2:2021.1.17 (15:14) 「もう戻れない。」 マキタは僕を好きでない。 何となくぼんやりと決着がついた空気になって 元の関係に戻るか、きっぱりと諦めて距離を考えるか、 決めなければならない時に、 マキタが助け舟を出した。 僕は動揺して無視した。 これが最後だった。 卒業式の「その節は」まで 僕たちはほとんど目も顔も合わせることはなかった。
4:2021.1.18 (23:34) 「何も言わない方がいい。」 優しく慰めてあげることは簡単なんだけど、 それをしたからなんだって話だ。 それは僕の役目ではない。 僕の役目はただ大人になれずにずっとそこにいる、 地縛霊のようなものだ。