2024.4.1
シリーズにんげんのうた⑥ 「ヨシダ①。」
黙ってる方がいいか、正直に話した方がよいかの二択があった場合、
僕は迷わず黙っている方を選んだ。
それは今となって考えて見れば、ほとんどの場合、ろくな選択ではない。
学年1つ下の天文部員。
優等生で一事が万事如才ない。初めてできた彼女。
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黙ってる方がいいか、正直に話した方がよいかの二択があった場合、
僕は迷わず黙っている方を選んだ。
それは今となって考えて見れば、ほとんどの場合、ろくな選択ではない。
何が大きな原因でセキグチとヨシダが大喧嘩になったのか、
実を言うと僕にはよくわからなかった。
マンガ的には僕を取り合って三角関係、ならテンプレなのだろうけれど、
そんな事実はない。
ただの相性だったのかもしれない。
しかし僕は困り果てつつも、何だか気分が昂揚したことを覚えている。
僕は「人間はぶつかりあって成長しあうもの」みたいなことは全く考えていず、
むしろ余計な揉め事は慎重に避けて通りたいと思っていましたが、
だからなおのこと、本当のことを言い合っている、という他人の姿に感動するのだと思います。