2024.4.1
「膝枕。」
ヨシダの予言通り、
僕はやがてヨシダに飽き、嫌いになった。
ヨシダは特に泣くこともなく、
ただじっと何の感情もない目で僕をみていた。
17歳の僕は、
いかなる理由があろうと
自分が傷ついてはいけない時があることを
学習した。
学年1つ下の天文部員。
優等生で一事が万事如才ない。初めてできた彼女。
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ヨシダの予言通り、
僕はやがてヨシダに飽き、嫌いになった。
ヨシダは特に泣くこともなく、
ただじっと何の感情もない目で僕をみていた。
17歳の僕は、
いかなる理由があろうと
自分が傷ついてはいけない時があることを
学習した。
誰だって自分を悪者にしたくはないし、傷つきたくもない。
しかし不穏な空気が流れてくれば、それにたやすく流され、
自分の責任ではないと自分自身に言い聞かせようとし始める。
思春期の正義や優しさなど誰も幸せにしない。
人からレッテルを貼られる前に、
自分から先に不幸を背負って見せることで
傷口を最小限度にとどめようとする、
それが子供の正義であり、優しさである。
わあ、何て最低なやつだ……、って思いました?
君はそう言い切れるほど自分自身を知っていますか。
理解してくれ、わかってくれ、と
相手に対して不満に思う時、
僕は絶対に相手のことを考えていないわけで。
高校生のつきあいなんて
恋愛というより気の迷いに近い程度のものだけれど、
自分はなんという都合のいいことばかり考えているのだ、と
反省する時も自分を中心に考えている。
さあ、この後どんな行動をとれば正解だったか。
僕は確実に不正解を選ぶので答えることは出来ない。