「私はお前のコンテンツではない。」

コンテンツやネタという言葉が段々イヤになってきました。自分を傷つけないための隠れ蓑として、あることないこと何だって言うからです。
美術部副部長。直情的で単純、すぐ泣く。
写真部・加藤とつきあっている。
僕は当時ひねくれものを装ってはいたものの、中身は実に単純なバカで、加藤塵芥のような腹の底に一物ある人間でもすぐに信用してしまい、とりあえず目に見えているものに場当たり的に対処するものだから、色んなことがこじれにこじれて、最後に何故か僕だけが全員から疎まれるという、大変遺憾な空気を、それでも自分では破ることが出来ず。
男は先生と僕のみ、あとは全員女子である美術部の合宿は理不尽なことばかり。
僕はいつも重い全員分のイーゼルとキャンパスを先生の車に積み、夜のための花火などを買い、アイスを買い、奔走した。
疲れ果てて合宿から帰宅すると、両親が「お前はまた女の子にたかられたんだろう」などとしつこくひやかし、僕のペーソスは誰にも理解されなかった。