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2:2020.12.22 (16:51)

「たった一枚だけ、の。」

村木の写真はほとんど残っていない。
残っているものも、全てモノクロフィルムだ。
当時写真は全部モノクロで撮影していたからだ。

文化祭が終わった時のような空気が流れていた。

僕と村木は残ってだらだらと後片付けをした。

長い一日が終わって、僕たちはしゃべる気力もなかった。
僕は黙って一枚だけ写真を撮った。

4:2020.12.29 (21:09)

「君は家の話をするのが大嫌いだった。」

やることはやっといて
急に大人ぶって説教みたいなことを言ったりする。

そんな内心を高校生に見透かされ、
妙な自尊心の高さから、
僕は分不相応に他人の家庭に踏み込んでいく。

そしてこうした空気から3週間ほど経った朝、
阪神大震災が起きる。

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