2024.3.16
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「顔。」
正解と不正解しか頭になかった僕を、
きちんと曖昧な現実に引き戻したのはやはり曖昧な現実だ。
「譲れない時間。」
どんな絵が好きかと訊かれる度、退廃とか感傷とか、ピンと来ない言葉で答えてきた。
僕は多分、幸せになろうとしていない人間の絵が好きなんだと思う。
そんな事、誰にも伝わりはしないだろう。
だから絵で人とは繋がれない。
「他人の死。」
人は僕を非難するだろうか。
腐っている、消えろと言うだろうか。
あるいは嗤うだろうか。
メンタル弱すぎ、だっせえと嗤うだろうか。
どんなことを言うにしろ、
何も知らないから言えるのだ。
知らないものだけが嗤うのだ。