2024.4.1
シリーズにんげんのうた⑭ 「先輩④。」
2017.4.4 (23:37)
「僕はクズだ」
と言える人間はクズになんかなれない。
僕は自分はまったくクズでなく、
心の底から天才だと自分を思っていた。
というのは嘘で、
天才だ、天才なんだ、と暗示をかけること以外、
することがなかったんだ。
しなければならないことは山ほどあったのに、
することがない、とため息をつきながら、
うろうろと京都の街を歩き、
気に入らねば見も知らぬ他人に暴力をふるい、
狭い狭い世界の中から、その狭い世界を否定する、
バカなのか。
バカだったのだ。