セリフ
1ページ目
- 「デパスはやはりだめだ夫の性格では必ず依存する。やめよう。」
- 「楽になりすぎる」
- 「今から寝る前の睡眠薬飲むから。朝まで起きれないから。呼んでもすぐこっちこれないかもしれないから。」
- 「ああ緊急地震速報とかあったらどうしよう…」
- 効果音ごちゃごちゃごちゃごちゃ
- 「ない。」
- 「いやこの辺の断層の活発化をモニターしないとそうだ今から」
- 「ない。」
- 儀式のような会話。
2ページ目
- コミュニケーション能力・手段に問題があるのは明らかにわたくしの方である。
- 「役に立たねえなー自分。などと自分を憎んでいても何もならんことはわかっちゃいるが毎日落ちつかない」
- 高校生の時マキタを通じてこりゃ俺はだめだと思った。
- 最初から自分を見せてそれでもいいという人を探すしかないと。
3ページ目
- 誰といつどう出会うか
- ほぼ運でもある。
- ただわたくしはその頃「今の自分では誰かに出会っても絶対に見逃す」と思った。
- 人を何も見てなかったから。
- そう思って何十年も過ごしたところで大事なことに気づくのはいつも手遅れになってから。
- 自分一人でできることは本当に数少ない。
- 生きている限り必ず何をしても後悔する。
4ページ目
- 「今年は雨ばっかでやだね。去年は「梅雨らしくない」とか勝手なこと言ってたけど」
- 大学生の時吉原幸子の「塔」という詩を先輩に教えてもらった。
- 安心し満足してものごとを見なくなる、感じなくなることを「自分に塔が立つ」と例えて詠んだ詩だった。
- いつも安心できず不安からは逃れられない。
- 「国産黒毛和牛の牛ホホ肉とポルチーニ茸のペンネ・ラグーソースがいる。ただちにいる。」
- 「わざと言ってない?」
- それは欠点ばかりではない。
- そうでないと気づけないこともたくさんある。
睡眠薬の服用を恐れる夫は、寝る前に家内ちゃんと儀式的な会話を交わす。自分の能力不足や、一人では生きられない現実に葛藤してきた夫だが、常に不安を抱えているからこそ気づける大切なこともあると思い直す。そんな夫の傍らで、家内ちゃんは突然お腹が空いたと具体的な料理名を挙げ、夫の不安を和らげる。夫は自身の欠点や後悔を抱えつつも、家内ちゃんとの温かな日常に救われながら日々を重ねていく。



