「通院日記。」
もういいことなんてなくていい。
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もういいことなんてなくていい。
僕の思い出は数少なく、そしてそれも日々消えていく。
自分で決めて自分でやったことしか覚えていない。
忘れたくないから覚えているのだ。
傷や痛みも含めて。
忘れたいことしかない人間と話しても
何の記憶にも残らない。
なんとなく「星空はロマンティックで美しいもの」と思っていた。
雲より遥か上空の4500m地点の、
人間どころか生き物の気配の全くない世界で
たった一人空を見上げると、
それはとても怖かった。
あの息苦しい、のどの奥に何かがせり上がる感覚は
絵でも言葉でも上手く説明できない。
僕はだから
自然に対して感じるロマンや美意識を
あまり信用できない。
本はいたいよ。
昔の本は特に。
僕は自分一人のためだけに生きていけるほど強靭な人間ではない。
「ちょっと声が聞きたくて」なんて理由で深夜に電話した。
怒って切られても当たり前なのに、
先輩はそのまま話を聞いてくれた。
ずいぶん時間が経ってから
「怒ってました?」と訊いた。
「私も好きな人には同じことしたからな」
と小さく答えた。
僕はますます欲がなくなっていく。
欲の深い人間が必要だ。
青。
「自己肯定感」てなんだ。
知らんわそんなもん。
気力が出るのは絵だけ。
本人の字シリーズ。
僕が究極のプライベートである僕宛ての手紙を
わざわざスキャンして載せるようになったのは、
元々ネットで「そんな青春あるわけないw」「嘘つき野郎」みたいなことを
しつこく言われてあまりに腹が立ったからなんですが、
こうしてちまちまと残しておいて
あとで弱った時に見ると少し元気が出たりするので
結果的にはよかったのかもしれません。
あなたが誰で何歳でどこで何をしている方かはもちろん存じませんが、
ふと喫茶店で時間を持て余した時は、
テーブルの紙ナプキンに何か字を書いて写真を撮り、
master@rainyday.jpまでお送りください。
きっと僕は一生大事にすると思います。
一生といっても、あとどれくらいかはわからないのですが。
習作。
自分を知るということは
自分で頭を抱えて薄暗い部屋で考え込むことではなく、
人に出会って人と深く関係して
死ぬほど傷つくということだと僕は思っている。
そのまま現代アートとして出品してやろうかと
何度思ったか。