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1:2021.11.22 (23:20)

「字下手なのと繰り返しながら書いてくれた君の手紙は。」

本人の字シリーズ。

絵も字も、あるいは文章でも会話でも挨拶でも何でもそうですけど、
上手な人が上手そうにする何かより、
下手な人が下手ゆえに丁寧にする何かの方が
僕はずっと好きです。

でも下手な人がびくびくと顔色を伺いながら、
あるいは最初から投げやりに
何かをしているのは好きでないので、

多分上手とか下手とかは関係なく、
精一杯が好きなだけなのだと思います。

2:2021.11.22 (21:40)

「時間。」

昔はよかった、とはっきり言い切れるほど
よかった思い出はない。

でも今よりはよかった。
僕のノートには、たくさんの余白があったからだ。

ぎゅうぎゅうに詰め込まれた僕というノートは
もう買い足すことは出来ない。

ほんのわずかな余白に、
小さく小さくなってゆく僕を描く。

3:2021.11.21 (23:36)

「卒業後に一番変わったのはムロイ。」

本人の字シリーズ。

手紙は僕の唯一の財産だ。
高価なパソコン、立派なピアノ、あるいは車、家、贅沢な暮らし、
そんなものいくらあっても僕の気分は晴れない。

でもその日その場所、その時の気持ちで書いた
君の字から、
僕はやがて衰えて死ぬまでの束の間、
人間に対して夢を見ることができる。

4:2021.11.21 (18:16)

「恋愛たち。」

僕は「恋愛」について語れるほど恋愛のことをよく知らない。
だからジブンガタリという形でしか恋愛や青春を表現できない。

ただ、何度浅はかな失敗で人間関係を壊しても、
僕は何度でも同じ失敗を繰り返す。

学習能力がないと君たちは笑うだろうか。

それは違うと僕は思う。

9:2021.11.20 (0:12)

「16歳たち。」

僕のマンガは17歳が起点になっている。
思春期が始まるのがマキタに出会う17歳だからだ。

きっとそれ以前も揉め事や憂鬱はあったのだと思うけれど、
さして語りたいことや語りたい人間はいない。

この時もクラスは違ったが同じバスにのって
同じ場所を歩いていたはずだ。でもそんな記憶はもちろんない。

出会うというのは何と不思議なことだろう。

12:2021.11.18 (21:42)

「ずっと嫌われてもずっと好かれてもいない。」

マキタの手紙は授業中に投げあったメモみたいなものも含めて3通しかない。
大体バーカバーカと書いてある。

バーカバーカと言いあえるほどには
仲が良かったということでもある。

夫婦だったり両親だったり、
男女の関係は、当人以外には絶対にわからない。

わからないから余計に描いてみたくなる。

13:2021.11.18 (0:40)

「昔話。」

僕はマキタの絵を描くために絵を描き始めたので
当時それ以外の技術や何やらには全く興味がありませんでした。

という風に人にはよく語るんですが、
それもまたネタであって、

僕の中核は憂鬱とかメランコリー、あるいはセンチメンタルにあり、
40近くになって突然美少女イラストやマンガを描き始めましたが、
それでもいつも憂鬱で、メランコリーです。

美少女、描くの無理でした。
ごめんなさい。

14:2021.11.17 (22:08)

「交差点。」

僕は人前から去る(サボる)のは常習犯だったが、
遅刻するのは苦手だった。今でもそうだ。

「やってらんねえよ」と誰かに言い捨てていなくなる、
つまり言い訳をしていなくなるのは平気だけど、
「黙って自分がいない状態」というのが不安だったのだと思う。

いつも他人に承認を求めている。

その辺をクソ真面目だ、面倒くさい、と
人は色々言うけれど、
「自分勝手」は僕の憧れであり、
ずっと目標だったことに変わりはない。

15:2021.11.16 (21:46)

「セキグチ。」

身近な人間ほど気を遣わなきゃいけないんだ、と
知ったのも思春期の頃だったかしら。

見ていて気の毒になるほど
人に気を遣う人間というのは
いつになってもいますが、

彼彼女らが気を遣っているのは
自分自身であって
人のことなんて何も考えていない。

僕がそうだったから。

16:2021.11.15 (22:56)

「自分探し。」

逃げ方にも色々ある。
僕は内ではなく外に逃げ出す方だった。

学生時代を内にこもってやり過ごしても、
いつか必ず自分を見失う時は来る。何度も何度も。

大人になってからではもうどこにも逃げられないんだよ、と
僕は学生に言いたい。

言わないけれど。

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