2024.4.1
2021年9月72P
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「100%不適合。」
そっちか…。
「格好よくもなんともない。」
「スマート」「キラキラ」とはかけ離れ、
と言って「泥臭い」「熱血」でもなく、
しかし「気持ち悪い」で終わらせることもできない、
そういう本当に小さな世界で。
「青春モノクローム。」
嫌われたくない人間は真っ先に嫌われる。
「伏線。」
回収しない方が幸せでいられる伏線。
「舌打ちたち。」
わかっていることだけしゃべろうと思った。
何をわかっているのかわからなくなった。息苦しい。
しかし黙っているのも卑怯だと思った。
先輩に誠実な人間だと思われたくて一生懸命話そうとした。自分語りばかりになった。
結局だめだった。
「なめくじ。」
僕は「みんなで」議論にも論破にも魅力を感じない。
犬も食わない不毛で小さい関係からこそ僕自身が作られたと今も思っている。
「ある不安。」
この不安は自分自身では解消されなかった。
人によってのみ解消した。
だから僕は一人のが楽だとは決して言わない。
「今日の会話。」
まあよいである。
「君一人が電車に乗る。」
始まってもいないことを始まったと錯覚し、
もう終わっていることを、まだ終わっていないと思いこもうとする。
それが一つの思春期の失敗だと思う。
答えはない。
答えは自分の中ではなく、相手の中にしかない。
それすらも経験以外からは学べない。
「ジブンガタリの後で。」
「本当は楽しかった自分」
を素直に認めるのは思いのほか勇気がいる。
ジブンガタリはただの無意味なノスタルジーではない。