「43歳。」
お互い歳をとったねえ。
ちっとも変わらないけれど。
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お互い歳をとったねえ。
ちっとも変わらないけれど。
一応恋愛とか青春とか、そんなものをテーマにはしていますが、
僕は男であれ女であれ、ただ会いたい人がいつもいたのです。
それが恋愛なのか友情なのか、
その辺を語るのはみな好きですが、
僕にとってはどうでもよいことで。
といえ人類愛とも博愛とも違うこの「会いたい」という感情を、
人は勝手に恋愛もしくは性欲と結びつけ、
なんやかんやと解説したがる。
ただ「会いたい」だけでは
何故誰も納得しようとしないのか。
何がしたいわけでもない。
ただ会いたいだけなのに。
まあ元気ないよりはよい。
同級生で仲良くなれたのは奥崎だけだ。
大学は違ったが、学力はそう変わらなかったと思う。
初めて同じような程度の頭で、
全部説明しなくても冗談が通じる人間と
仲良くなった。
僕が気が効く人が好きなんだろう。
楽しい時間は短い。
だけど幸福だった。
冗談です。
4年の間にずいぶん描き方も変わってしまった。
記憶にある村木はいつも同じなのにな。
ちゃんと人に迷惑をかけましたか。
そんな自分をちゃんと許しませんでしたか。
最初から自分の心をコントロールできる人間なんかいないよ。
ほんの何ミリかづつ、
僕らはお互いに大人になる。
何の用もないのに、夜中に呼び出せる友達、いますか。
何の用もないのに、夜中に呼び出してくれる友達、いますか。
ゆっくりと、
同じ時間軸にいる。
用なんていらないんです。
用なんてないんです。
大学生活と他の生活の大きな違いは、
この意味のない時間だったと
僕は目を閉じて思い出す。
カメラの性能の問題ではないので
比較検証には全く使えない家内ちゃん写真。
思春期に形成された性格は
その後よほど強いショックを与えない限り、
根本的に変わることはない。
脱皮に失敗して大人になれなかった昆虫は
そのまま死ぬしかない。
人間だけが子供のまま生きていられると言うのも
おかしな話だ。
そうは思いませんか。