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1:2020.11.24 (13:20)

「美術準備室のオータニ。」

美術準備室は顧問の先生と美術部部長しか入れない、鍵のかかった小部屋だが、
僕が部長だった間は、僕と近しい人間のたまり場となっていた。

演劇部部長のオータニも、
勝手に来て勝手に昼寝などしていた。

いつも内に閉じこもって
何やら考えるふりをするのが癖になっている僕から見ると、
オータニも同級生ながらずいぶん大人に見えた。

大人になりたかった。
一瞬でも速く。

5:2020.11.22 (11:04)

「さみだれサンデー。」

20代後半にさしかかると、
僕の人を好きになる力は急速に衰え、
けばけばしい情緒の上下はなくなってゆきます。

20歳の時には数ヶ月しかもたなかった人間関係が、
自分自身の安定と共に長く続けられるようになり、

「こうすべき」「ああすべき」と思っていたことが
どうでもよくなって、
最初から背伸びをしなくなりました。

そういう時にはそういう人と出会うようになっている。
さみだれちゃんとは大分歳が離れていましたが、
楽でした。

「お互い高めあうような関係」など
僕の歪んだ自尊心が生むただのくだらないこだわりだと、
僕は始終居眠りしながら考えていました。

6:2020.11.21 (22:02)

「偽物の君たちへ。」

僕はマゾヒストではないので、
傷つくセリフに喜ぶわけもなく
さりとて落ち込むこともできず
ただ矢のように刺さる先輩の言葉を
飲み込む以外に出来ることはない。

マゾヒストはいつも一方的だ。
ただ欲しいものを求めるだけで、
自分が与えることをしない。

自分をよく見てほしければ
人をもっと近くで
もっとよく見るしかないのだと
大学生になってやっと気づいた。

僕はいつも人より遅かった。
何も、かも。

7:2020.11.21 (19:46)

「家内ちゃんの帰郷。」

今日家内ちゃんは実家に戻っていきました。
これで数日は自分のことだけできます。

とはいえ、僕はもうあまりしたいことがなく、
その気力もなく、
足をさすりながら
ぼんやり絨毯に寝転がっているだけです。

一人は気楽ですが
気楽も長く続けば無気力になることを
僕はよく知っています。

8:2020.11.21 (11:53)

「もう何も欲しいものはない。」

これ、最近色んな周りの若い子にやって
(多分)嫌がられているんですが。

自分でもよくわかんないんですよね。

実際の写真を見せて、あ、この人マキタさんでしょ、
って言われるとひどく嬉しい、その気持ちがどこから来るのか。

教えてもらえませんか。
この感情の正体が何なのか。

もう僕に未来はないです。
ないというか、なくてもいいかな、という気分です。

欲しいものも特にありません。
ただ描いてさえいれば僕は幸せです。

9:2020.11.21 (2:42)

「嫉妬という味。」

人をあるがまま受け入れる力……包容力は
まず自分を受け入れるところから始まるので。

それが出来ていなかった20歳の僕は
何が起きてもあらゆることに嫉妬するだけの
泥人形のような存在でした。

その嫉妬や包容力のなさ、
間違った正義感、猜疑心、

それらが僕を彼氏ではなく「彼氏ヅラ」にさせ、
だんだんと破局に向かっていくのは
マンガ「村木」の通りである。

10:2020.11.20 (23:38)

「人からも自分からも逃げた行く先は。」

なんとかケンカや気まずさ、葛藤を回避したいと願う人間ほど
正解を自分の中以外のものに求め、
結局捨てられ、嫌われる。

つまり彼女が何を怒っているのか、
彼女自身、あるいは自分自身ではなく、
雑誌の一般論やネットの煽り記事に正解を求める人間だ。

これは勉強ができるできないとか、
性格がよいわるい、家庭環境がどうのこうのの話ではない。

適当に自分をごまかして
なんとなく生きてきた結果でしかない。

僕は捨てられる。
それに気づくまでどの世界線を生きても捨てられ続ける。

自分のことばかりに真剣になっている人を、
自分以外の人間は好き勝手に笑うが、
しかし

その季節は絶対に必要なのだ。

11:2020.11.19 (23:23)

「季節。」

自分のことしか見えない季節だから
人を好きになっても実は人ではないものを好きになって
失敗するわけですけれどもね。

コンプレックスはじゃんじゃん
持っていいんじゃないでしょうか。

でもコンプレックスを
自虐でネタにする癖をつけると
ろくな大人にならないのでね。

別に頭おかしい病気になってもいいと思う。
思春期なら。

死なない程度に
思いっきり落ち込んだ方がいい。

12:2020.11.19 (17:24)

「学生食堂。」

大きな大学でしたので、
学生食堂はレストラン街のようにたくさんありましたが、

僕が愛用していたのは、
校舎から離れた、老朽化はなはだしい
別館の食堂でした。

ただだだっぴろくて、
ほとんど学生はいませんでした。

おしゃれに着飾って、
キラキラした同級生たちが校舎へ歩いていくのを見ながら、
僕はいつまでもそこで腐っていました。

6年間も腐っていたと考えると、
長い長い夢を見ていた気持ちがします。

今も僕は、そんな食堂が好きです。

14:2020.11.18 (23:19)

「告白未満。」

好きって感情って相当気持ち悪いですよね。
僕もずいぶん経験しました。

すくなくともレモンやサイダーのような
爽やかさはどこにもありません。

泥沼で滑って転び
やけくそになって
泥まみれで踊っているような、

なんだか哀れでもあり
楽しくもあり

そんな毎日でした。

15:2020.11.17 (23:05)

「大学の庭で。」

僕を常に縛るのは
学校や社会の規則やモラルなどではない。

人間なのだ。

僕は常に人間に呪われている。
呪われて、幸せになっている。
呪われたいと願っている。

呪いには、
自分では解けない呪いと
自分にしか解けない呪いがある。

この呪いは
恋愛と言い換えてもよい。

自分にしか解くことができない、
幸せな呪いだった。

16:2020.11.17 (21:56)

「閑話休題その2。」

ほんとに同級生と話あわなくてねえ。
今でもですが。

トラップ一家物語やセーラ、フローネ、ブッシュベイビー、若草物語といった、
日曜7時の名作劇場を、
家族全員で見ていました。中学生くらいまでかな。

僕たちがとっくになくしてしまったものが、
90年代の、それも海外原作のアニメに全部詰まっている。

なんて皮肉なんだろう。
もう色んなことにがっかりしすぎて、
気持ちが塞ぎっぱなしです。

ごくまれにお知らせを送らせてください。 はい いいえ