2020年5月54P
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「マキタ以前。」
僕(15)はかようにひどい有様でした。
マキタに出会った後も性格は同じですが、
「こうあるべき」から「これを実行した」日記に変わる。
僕の周りの女子には僕が口だけなのも優しさが嘘っぱちなのもすぐ見抜かれた。
「さみだれちゃんと街を行く。」
2001年くらいの思い出。
「結構気にする。」
割と地雷だったようだ。
「いつだって僕はびくびくとして。」
「若さ」のよさを考える。
融通も効かず、話も聞かず、冗談も通じず、目の前のことしか見えず、そんなでも「探せば拾ってくれる人はいた」ということだ。
それは劣等感を吹き飛ばすのに十分な力があった。
「種の起源。」
寝返り。
「本当は知っているくせに。」
勉強が出来るほど、知恵が回るほど、何かと理屈をつけて自分を置き去りにする。
この「そういうとこ」は、わかっていない人間ほど言葉で説明して安心したがる類の言葉だ。
人間の関係は現国の問題ではない。
「そういう絵。」
かわいく描こうとするとちっともテンションが上がらない。多分こっち方面に寄っていってたら今頃飽きてもう描いてないだろう。
「吠える。」
うつむいた暗い顔からは、自分から理解しようともしないで「ありのままの自分を理解して欲しい」という身勝手さだけが伝わってくる。
そんな弱い性格も集団に紛れて笑っていればごまかせる。
と思っているのは自分だけだ。
「共感できる『好き』などない。」
好きの反対は嫌いではなく無関心、という言葉が示す通り、「好き」には必ず後ろめたい感情がついてくる。
それを見なかったことにして「好き(なこと)で繋がろう」なんて僕には恥ずかしくて言えない。
「誰のための結婚なのか。」
人は自分よりずっと自分を見ている。
「本当に勇気がいるのは『好き』じゃない。」
好きって割と簡単に言える。勇気がいるのは最初だけ。
「さみしい」は人に向けては絶対言えない。
冗談めかすこともできない。
でも言いたかった。
その機会は永遠にもうない。
「自分にだけ笑って欲しい。」
他に描くことないのかと言われても、
高校の時に一生懸命やったと言えることはこんなことしかない。
媚びも徹底すれば見えてくるものはある。
かけた迷惑の分だけ僕たちは大人になる。
「日の当たらない場所。」
寂しいという気持ちはこんなにも強い動機に変化する。