2024.4.1
2020年1月68P
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「『好きだよ』と言った瞬間に。」
思春期の片思いはただのオナニーですから、恋愛経験には入りません。
つきあって相手がこちらへ振り向いた瞬間、急速に醒める、あの謎の情緒、あれは確かに恋愛だと思います。
終わりの始まりです。
「さみだれシークエンス。」
ちゃんと笑った顔を描くのは本当に難しい。「仕事だから笑顔でいる」の笑顔はどこかしら歪んでいる。
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「さみだれちゃんとどうしようもない日々。」
「センチメンタルの後ろ側で。」
センチメンタリズム(感傷癖)は生きる上で時々必要になるけれど、あれは呪いのようなもので、喜んで摂取し続けると取り憑かれて化け物になる。
青春とは虚無だ。
それ以上でも以下でもない。
「時代が違うのはわかっているけれど。」
キラキラした青春なんか、キラキラしないと絶命する別の星の生物が作り出した幻影だと僕は思う。
僕たちの青春は、吐瀉物にまみれて一歩先の未来もない、そういう性質の虚無だ。
「レイニー先生の恋愛学。」
どんなに奥崎のことを聞いて回っても「先輩バット持ってたよね」しか出てこなかった。
まあ青春には金属バットが必要な時期もある。
「元日の喫茶店。」
出会い系やナンパに文句あるわけじゃなくて、
何よりショックだったのは、
この男女が本当にどこにでもいそうな平凡で真面目そうな見た目だったことと、男が30だったこと、
あと令和の時代になっても「何もしないからホテル行こ」が残存してたことも絶望です。